- 2011-12-28 (水) 16:18
- 任意売却の実務
知り合いの不動産会社の社長から、11月に破綻した企業の所有不動産を任意売却したいので、手伝って欲しいという相談がありました。
破産管財人を通じて至急処理したいということだったので、とりあえず不動産リストを確認すると、都内の不動産は社長の自宅があるだけでその他の不動産は地方の工場や倉庫でした。
自宅は都内の閑静な住宅地にあり駅からもそう遠くない場所で、とても良い物件で、これならすぐに買い手がつきそうだと思いながら現地を確認に行くと、同じように確認にきた同業さんがわんさか来ていました。
相談してきた社長にその旨伝えると「管財人があちこち情報を出しているらしい」とのことで、その情報はすぐにいわゆる「出回り」となってしまいました。
任意売却ではできるだけ高い金額で売却することが良く、時間的な余裕がある場合などはまず、一般客に売却することから始めます。
不動産を仕入れて転売することを業務としている不動産業者では価格面で債権者との折り合いがつかないことも多いからです。
今回の物件はできるだけ早く処理したいという意志から一気に情報を流したらしいのですが、この管財人さんは出回り物件を嫌う傾向にある不動産業界のことをあまり知らなかったのでは?と思います。
債権者、債務者の意に反して不動産業界独特の流通形態があり、情報を一度に多く流してできるだけ早く、良い条件で売却したいということは道理でよくわかりますが、現実的な事として出回ってしまうと媒介業者もなかなか本気で買手を探そうとはしませんし、書いての不動産業者も買う気を損なってしまうことが多いようです。
なぜかというと、複数の買手ができれば価格の上昇も考えられ、形のない入札のようになってしまうことも多いからです。
このような場合は初めから「入札」方式をとれば良いのですが、今のように不動産流通が良くない状況では入札しても札が入らない場合もあり、これを敬遠したのかもしれません。
しかし、誰が見ても良さそうな物件では入札方式での決着が一番良いと思います。東京の場合、人気のある地域の競売はそれ相応の金額で入札されていますから。
この不動産については結局見送ることにしました。
その他地方の不動産の処理はなかなか厳しいと思います。需要がない地域でしかも需要がない種類ですから任意売却はてこずると思います。
我々は任意売却を受ける時、まずは専任媒介契約を結びます。そうでないと受けません。責任もありますが、販売、情報ルートをひとつにすることで必ず良い結果につながると考えているからです。
任意売却に限ったことではありませんが、複数の媒介業者に依頼して出回りとなった結果売れなくなってしまった不動産はたくさん存在しています。
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